フォローはしない。それでも話は聞こえる。
blusco は、フォローを使わない Bluesky のクライアントだ。
隣の席の人の話は聞こえるが、声はかけない。何度か居合わせるうちに、いつのまにか話すようになる。blusco はこの見え方をそのまま画面にした。
フォローすると、内側の人と外側の人ができる。blusco にはフォローがないから、内も外もない。顔なじみの吹き出しも、ほかの人と同じ色だ。アイコンのクラインの壺も、内と外の区別がない壺だ。
タイムラインは時間の順をなくし、おすすめが並ぶ発表の場になった。blusco の窓は時間の順に流れ、返信は会話の形に並ぶ。ほかの人どうしの会話も、隣の席の話として聞こえる。
友達になってほしい人に、友達になってくださいとは言わないものだ。だから blusco にはフォローがない。人とキーワードとフィードを組み合わせて、手元に窓を作る。誰を読んでいるかは誰にも見えない。


投稿を4行ずつのフキダシに分けて、少しずつずらして重ねる。同じ投稿はいつも同じ形だ。長文も連投も、ひとかたまりのおしゃべりに見えるだろう。英語の投稿はアメコミの字で組む。

長文は、フキダシがつながってひとかたまりになる。
ハートの代わりに青い点を置く。押した人が1人なら河原の石で、8人を超えるとカットした宝石になる。数字は出さない。光り方を見ればわかるからな。
1人転がり石
2人から濁った結晶
4人から原石のかけら
8人からカットした宝石
自分が押すいちばん明るいスクロールすると、画面の隅にクラインの壺がぼわんと出てくる。さかのぼった時間だけ、インクが溜まる。押すと1時間前に戻る。24時間で満杯になり、25時間目に空から溜まり直す。内も外もない壺だから、こぼれる心配はない。
京都の町家では、通りに面した部屋をミセと呼ぶ。もとの字は「見世」で、物を並べて見せる棚のことだ。窓が見るための場所なら、ミセは見せるための場所だ。ポッドキャスト、新しい曲、自作のアプリ、描いた絵。自分の投稿もほかの人の投稿も、棚に並べられる。ミセは1人3つまで持てる。一覧も人気の順もないから、小さいミセが埋もれることはない。
blusco は2026年10月4日に作り始めた。毎日使って、合わないところを直してきた。その中で決まったことが6つある。
いいねの数もフォロワーの数も出さない。量は石の光り方と顔の数で見る。数字があると比べたくなるからな。
吹き出しは声で、枠は見せる物だ。集中線は運ばれてきた投稿、雲形は返信を閉じた投稿、点線はまだ誰も受け取っていない呼びかけだ。字を読む前に、形でわかる。
ほかの人はみんな左に並ぶ。横書きでは目が左から動くから、誰の声かが本文より先に目に入る。
窓に入れても、ミセに通っても、相手には何も届かない。どの窓で書いたかも、投稿には書かない。
ドックの並びはいつも同じで、1つの印は1つの場所を開く。いま何が出ているかを覚えさせる形は、作ってみてやめた。
ブルードットの中身はいいねで、投票の答えは返信だ。blusco を使っていない人とも、そのまま話がつながる。
ATProto の OAuth で入る。パスワードは blusco に渡さなくていい。
ブラウザで開ける。登録はいらない。iPhone 版と Mac 版は開発中で、まだ公開していない。
出して5分以内なら、同じリンクのまま字を直せる。
答えは返信で出す。公式のアプリの人も答えられる。
よく行き合う人だけの窓だ。50人までにしてある。
表示はどちらでもいい。ほかの言語の投稿は、端末の中だけで訳す。
blusco nano は、Mac で書いて出すための小さな窓だ。⇧⌘B を押すと、どのアプリを使っていても書く欄が手前に出る。右の壺は字数のメーターで、300字で満ちる。壺を押すと、書いた分がフキダシになって上に積まれる。欄が空のときに押すと、積んだ分が連投で出る。
macOS 14.2 から動く。署名も Apple の公証もしていないので、初めて開くときはシステム設定の「このまま開く」を押してくれ。
Bluesky のアカウントがあればいい。登録はいらない。